工務店やハウスメーカーなどの住宅業界でも、Web集客を駆使しないと勝ち残るのが難しい時代になりました。
Webマーケティングとは縁遠いかのように思える工務店でも、学び、実践することが大切です。
そこで今回は、SNS総フォロワー38万人を超える暮らしのメディア「THE ROOM TOUR」(@the_room_tour)が、「工務店のWebマーケティングを成功させるコツ」を紹介します。
- 工務店の集客にWebマーケティングが欠かせない理由がわかる!
- Webマーケティングの種類がわかる!
- 工務店のWebマーケティングを成功させるコツがわかる!
Webマーケティングの定義をおさらい
Webマーケティングとは、Webサイトやアプリ、オンラインショップなどのWeb媒体から消費者を集客し、商品やサービスの購買につなげることを指します。
そもそもマーケティングとは、「自然と売れる仕組みづくり」をすること。
顧客を集め、利益を上げるための仕組みづくりが、すべてWeb上で完結するのが「Webマーケティング」と言えるでしょう。
経営学者のドラッカーは、「マーケティングの究極の目的は、セールスを不要にすること」と言っています。
正しくWebマーケティングを実践することで、営業しなくても問い合わせがきたり、商品が売れたりするのです。
工務店の集客にWebマーケティングが欠かせない理由
工務店はもちろん、どの業界においてもWebマーケティングは欠かせません。
ここでは、工務店の集客にWebマーケティングが欠かせない理由を解説します。
どんなメリットがあるのかを知った上で、コツや方法を学んでいきましょう。
多くの見込み顧客がネットで情報収集するから
内閣府が令和3年(2021年)3月に実施した消費動向調査によると、令和3年3月末時点での「スマホ普及率」は、以下のとおりです。
令和2年3月時点でのスマホ普及率 | 84.4% |
令和3年3月でのスマホ普及率 | 88.9% |
また、消費者庁が令和2年(2020年)11月に実施した消費者意識基本調査によると、20〜30代のインターネットでの商品・サービスに対する安心度は、70%を超えていました。
家づくりを検討する20〜30代は、ネットでの購入に抵抗感がないことがわかります。
そして、総務省が令和元年(2019年)9月に実施した通信利用動向調査では、「20〜30代のSNS利用状況」で以下の結果がわかりました。
20代のSNS利用率 | 87.1% |
30代のSNS利用率 | 83.0% |
以上の調査結果からわかるのは、ネットがこれだけ身近な存在になっているということ。
特に住宅の購入を考える20〜30代には、ネットでの情報収集や購入が当たり前のものとなっているのです。
現代では、新型コロナウイルスの影響も相まって、オフラインの場だけを頑張っても、成果を出すのが難しいのが事実。
工務店がWebマーケティングに力を入れることで、見込み顧客へ適切なアプローチができます。
効率よく集客できるから
Web媒体を駆使せずに集客しようと思ったら、マンパワーが必要になります。
その分人件費がかさみますし、多くの見込み顧客へリーチするのが難しいでしょう。
多くの顧客を集客するためには、Web媒体を使うことが大切です。
Webマーケティングで仕組みさえ作れば、土日でも夜間でもネットで集客し続けることができます。
成功させると、今までとは比較にならないほど大きな収益を出すことも可能です。
効果測定しやすいから
Webマーケティングは、実施してから効果がわかるまでのスピードが早く、測定しやすいのもメリット。
例えばSNSを投稿すると、数時間後には結果が表れます。
- どれくらいのリアクションがもらえたのか?
- 再生回数は何回?
- 問い合わせは来ているか?
Web媒体は過去の投稿や競合を分析できるので、効果測定しやすいのが特徴です。
- どの投稿のいいね・コメントが多いのか?
- 競合はどんな投稿で伸びているのか?
- フォロワーの多いアカウントのプロフィールは?
このように、結果が目に見えるため、分析しやすいでしょう。
改善を繰り返していくと、より良い結果が表れるはずです。
Webマーケティングの主な種類
ここでは、工務店がよく活用するWebマーケティングを取り上げます。
自社に合っているものはどれか?考えながら見てみてください。
SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、SNSを駆使して集客すること。
施工事例を公開したり、ユーザーの声を拾うことに使ったりと、活用方法はさまざまです。
規模が大きくなれば、SNSからの問い合わせも増えるでしょう。
主なSNSは、以下のとおりです。
- TikTok
- LINE
工務店やハウスメーカーなら、特にInstagramやPinterestをおすすめします。
より詳細のSNSの使い方や活用事例をご覧になりたい方は、以下よりチェックください。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、メールを通じて顧客への情報発信を行うこと。
お得情報やイベントの告知などを配信することで、顧客との関係性を築くことができます。
メルマガをイメージすると、わかりやすいのではないでしょうか。
しかし、メールはどうしても一方通行になりがちです。
顧客から嫌がられないようなタイミングや配信回数、内容を見極めることが大切でしょう。
SEO対策
SEO対策とは、Googleで検索されたときにWebサイトを上位表示させる手法のこと。
例えば、「神奈川 工務店」で検索したときに、自社サイトが1位に表示されていれば、問い合わせや成約が増えますよね。
SEOで上位に表示させることで、有料の広告を使う必要がなくなります。
上位表示されている限りは、ずっと自動で集客し続けてくれるでしょう。
ただし、SEOで上位に上げるには時間や手間がかかります。
「すぐに結果が出るものではない」と認識した上で、中長期的に取り組むことが大切です。
MEO対策
MEO対策とは、Googleマップで上位表示・店舗情報の最適化をする手法のこと。
近年、Googleマップで店舗を検索する人が増えています。
そのため実店舗を持つ工務店では、MEO対策が必須です。
MEO対策は気軽にできるので、優先的に取り組みましょう。
MEO対策の手順は、以下のとおりです。
- Googleマイビジネスに登録する
- 店舗・会社情報を記載する
- 口コミや写真を増やす
- 口コミに返信してコミュニケーションをとる
工務店の店舗だけでなく、住宅展示場のMEO対策も行っておきましょう。
リスティング広告
リスティング広告とは、Googleで検索されたときに“広告”として検索結果の上の方に自社のWebサイトを表示させる手法のこと。
お金さえ払えばすぐに表示されるため、認知度をすぐ高めたいときに向いています。
一方、継続的に続けると費用が膨大になってしまうため、他の手段で効果が出るまでの時期や、イベント前などでスポット的に使うのが一般的。
費用相場は、1ヶ月あたり20〜50万円程度と言われています。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、広告主が設定した成果条件が満たされた場合に、サイト運営者へ報酬が支払われること。
主に”アフィリエイター”と呼ばれるサイト運営者が、広告主のサービスや商品を宣伝します。
例えば、「資料請求につながったら1件あたり5,000円」のように、成果が出たら報酬を支払う必要があります。
成果が出た分だけの費用を払うので、無駄なコストがかかりません。
ただし、アフィリエイト広告を始めたとしても、アフィリエイターが宣伝してくれない限りは、広告が世に出ることもありません。
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、一度サイトを訪れたユーザーに対して、再度広告を表示させる手法のこと。
見込み顧客は、Webサイトを訪れてすぐに購入したり、資料請求したりするわけではありません。
ユーザーの90%以上は、具体的なアクションを起こさずにサイトを離れているのです。
再度広告を表示させることで、問い合わせや資料請求に至らなかったユーザーへアプローチできます。
リターゲティング広告の支払い方法は、以下の2種類。
- クリック課金:1クリックあたり数十円程度の費用が発生する
- インプレッション課金:広告が1,000回表示されるごとに、数十円〜数百円程度の費用が発生する
リターゲティング広告をうまく活用することで、一度逃してしまった見込み顧客を取り込める可能性があります。
YouTube
YouTubeでの発信を続けると、見込み顧客へアプローチできたり、工務店のブランディングができたりします。
工務店がYouTube動画を投稿するなら、例えば以下の内容があります。
- 施工事例の紹介
- 家づくりに関する情報発信
- 企業の想いを発信
YouTubeの特徴は、濃いファンをつくりやすいこと。
アカウントの規模が大きくなれば、問い合わせや資料請求につなげられるでしょう。
他の工務店・ハウスメーカーとの違いや、自社の強みを動画にするのもおすすめです。
- YouTubeの詳細についてはこちら
工務店のWebマーケティングを成功させるコツ
ここでは、工務店のWebマーケティングを成功させるコツを解説します。
以下5点を抑えた上で、取り組んでいきましょう。
ホームページをスマホ対応にする
総務省が令和元年(2019年)9月に実施した通信利用動向調査によると、端末別のネット利用状況は以下のとおりとなっていました。
2019年 | 2018年 | |
スマホ | 63.3% | 59.5% |
パソコン | 50.4% | 48.2% |
タブレット | 23.2% | 20.8% |
パソコン・タブレットに比べて伸び率も高いため、現在はもっとスマホの割合が高くなっているでしょう。
以上のデータからもわかるように、Webサイトはスマホで見ることを前提に設計する必要があります。
Webサイトを作り込む際には、スマホ画面で見やすいか?を確認してみてください。
中長期的な戦略計画を立てる
多くの施策は、「やればすぐに成果が出る」というものではありません。
中長期的に継続することで、徐々に成果が表れてくるでしょう。
最初は結果が出なくても、一定期間続けてみてください。
できる限りWebマーケティングの担当者を決め、定期的な更新や分析を続けることが大切です。
また、目的に対して方向性のズレが生じたときには、思い切って施策を変更することも視野に入れておきましょう。
ターゲットを設定する
ターゲットが定まっていなければ、どんな施策が有効なのかもわかりません。
自社のターゲットはどんな人なのか、具体的に挙げましょう。
ターゲットを決めるときの項目例は、以下のとおりです。
- 年齢
- 性別
- 家族構成
- 年収
- 職業
- 住んでいる地域
- 家を建てる地域
- 価値観
- ライフスタイル
ターゲットが決まれば、どんな施策を打つべきなのか明確になるはずです。
目的(ゴール)を決める
何のためにWebマーケティングの施策を行うのか、明確になっていますか?
目的が決まっていないまま始めると、軸がブレてしまいます。
自社の課題をもとに、Webマーケティングに力を入れる目的を明確化しましょう。
中には、目的の設定を間違ってしまう方もいるので、注意が必要です。
例えば、「Instagramのフォロワーを1,000人増やす」のは、目的でなく手段のはずです。
本来の目的は、「自社の売上を◯◯円アップさせること」ではないでしょうか?
目的と手段を混同せずに、正しいゴールを設定しましょう。
オフラインも掛け合わせる
工務店の強みは、実店舗があること。
オンラインだけでなく、オフラインも掛け合わせることで、より高い集客効果を狙えます。
住宅はネットで完結する買い物ではないので、もちろんオフラインの場も大切です。
例えば、住宅展示場でのイベントを開催するにあたって、こんな掛け合わせができます。
- SNSで来場特典を用意する
- 口コミ投稿で参加できるキャンペーンを用意する
- SNSやYouTubeに出演している担当者が出向く
ネットでつながった見込み顧客に、どうやってオフラインの場まで来てもらうか?という視点で施策を考えてみましょう。
Webマーケティングで集客を成功させましょう
本記事では、工務店の集客にWebマーケティングが必要な理由や、成功させるためのコツを紹介しました。
今の時代で勝ち残るには、Webマーケティングが必須科目です。
当メディアは、本記事でお伝えしたノウハウを実践した結果、SNS総フォロワー数38万人超え・NHKのクローズアップ現代に取り上げられるまでに成長しました。
これからWebマーケティングに力を入れる工務店の方は、ぜひ実践してみてください。
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