- 「プロパーローンってなに?」
- 「アパートローンとは何が違う?」
このような疑問をお持ちの方もおられるのではないでしょうか。
金融機関がリスクを背負って独自調達した資金を貸し出すプロパーローン。
対して、投資目的でアパートやマンションを購入したい方に向けて、審査基準や融資条件を設けた上で用意されているのがアパートローンです。
不動産投資といえば、アパートローンのイメージが大きいな。
「プロパーローンがよく分からない」という理由でアパートローンを選んでいる方は損している可能性があります。
実は、あまり知られていないプロパーローンを利用した方がお得に不動産投資できるケースはたくさんあります。
今回は、インスタグラムフォロワー30万人を超える暮らしのメディア「THE ROOM TOUR」(@the_room_tour)が『プロパーローン』について詳しく解説します。
この記事を読めば…
- プロパーローンとは何かがわかる!
- プロパーローンとアパートローンの違いがわかる
- プロパーローンのメリットとデメリットがわかる
- プロパーローンが不動産投資に使えるかわかる
不動産投資で少しでも多くの利益が得られるようにするために、プロパーローンについて理解を深めましょう。
「マネードクター」ではお金のプロであるファイナンシャルプランナーが一人ひとりの悩みに対して的確なアドバイスをしてもらえます。
オンラインでの無料面談に対応しているため、自宅にいながら気軽に相談ができます。
住宅ローンに関する悩みをお持ちの方は、まずは「マネードクター」までご相談ください。
プロパーローンとは?
プロパーローンを簡単に説明すると「保証会社を介さずに金融機関が独自に調達した資金を貸し出すこと」です。
「固有の・特有の」という意味を持つ「プロパー(proper)」に「ローン(loan)」を組み合わせて誕生した和製英語。
- 保証会社を介さないため「保証料」が発生しない
- 一般ローンと審査や条件が異なるため融資を受けられることがある
- 保証人もしくは連帯保証人が必要
- 金利が高い
プロパーローン最大の特徴は、債務者と金融機関が直接的に借入契約を結ぶことです。
保証会社を使わないため、債務者は保証料を支払う必要がないため、場合によっては借入にかかる費用を安く抑えられます。
また、保証会社を使う場合、債務者が返済できない状況を作らないために保証会社が設ける条件や審査に通ることが必要です。
しかし、プロパーローンであれば債務者の返済が滞った際のリスクは金融機関に向くため、独自の審査や条件を設けられるため柔軟性の高い契約を結びやすいです。
住宅ローンの審査に落ちた人でも、プロパーローンの審査に通る可能性はあるということだね。
プロパーローンとアパートローンの違いとは?
プロパーローンとアパートローンは、次の項目で異なります。
- 資金使途の違い
- 審査基準の違い
- 融資金額の違い
- 融資期間の違い
- 保証会社の有無の違い
- 金利の違い
資金使途の違い
プロパーローンとアパートローンの資金使途の違いは、次のとおりです。
プロパーローン | アパートローン |
(建前上は)明確な制限なし | 賃貸経営を目的とした不動産投資 |
プロパーローンは、資金使途に対して明確な制限を設けられていないため、不動産購入以外に利用することも可能。
一方、アパートローンは名前の通り、「賃貸経営を目的とした住宅不動産の購入」に制限がかかっています。
「建前上」ってところが気になるけど…
プロパーローンに制限がないといっても、融資時には銀行が介入するため、実際には「不動産購入」という目的以外では審査が通りにくいです。
原則、プロパーローンを利用するのであれば不動産購入時に検討しましょう。
審査基準の違い
プロパーローンとアパートローンの審査基準の違いは、次のとおりです。
プロパーローン | アパートローン |
各金融機関の独自基準 | 物件ごとの収益の将来性や価値から判断 |
プロパーローンは、金融機関ごとに独自の審査を行っているため、事業の収益率や総合力などを通して信用度が高いと認定されればサクッと審査が通りやすいです。
一方アパートローンは、物件の収益性や資産価値に加え債務者の属性など厳しい審査があるため、説得力のある資料づくりなどが必要。
今まで事業や経営をしたことがない方にはプロパーローンの審査が厳しく見えるかもしれません。
ただし、しっかりとした実績さえあれば、アパートローンの審査で落ちてもプロパーローンの審査に通る可能性は十分にあります。
融資金額の違い
プロパーローンとアパートローンの融資金額の違いは、次のとおりです。
プロパーローン | アパートローン |
明確な限度額なし | 限度額あり(金融機関によって異なる) |
プロパーローンは、金融機関と個人の直接取引になるため、金融機関がOKを出せば融資金額に制限なく借入が可能。
アパートローンは、既に決められた条件の中で借入が行われるため、基本的には金融機関ごとに異なる融資の上限金額が決まっています。
例えば、三井住友信託銀行が提供するアパートローンでは借入金額の上限が3億円以内(100万円以上、10万円単位)と決まっています。
アパートローンで決められている上限金額以上の借入を希望するのであれば、プロパーローンの借入を検討しましょう。
融資期間の違い
プロパーローンとアパートローンの融資期間の違いは、次のとおりです。
プロパーローン | アパートローン |
個別に設定される | 法定耐用年数以内など制限あり |
プロパーローンの融資期間は制限がありませんが、一般的にはアパートローンよりも短めに設定されるケースが多いです。
なぜなら、融資期間を延ばすと債務者が完済できないリスクが高まるため、金融機関側はリスクを最小限にしようと短いスパンに設定するから。
ただし、債務者の返済能力の高さや信用度によっては、アパートローンよりも融資期間を伸ばしてもらえるケースもあるため交渉次第です。
保証会社の有無の違い
プロパーローンとアパートローンの保証会社の違いは、次のとおりです。
プロパーローン | アパートローン |
なし | あり |
一般的な住宅ローンでは、保証会社の保証をつけることが条件になっていて、債務者は保証会社に金利とは別に保証料の支払いが必要。
住宅ローンを組んだ債務者の返済能力がなくなった場合、保証会社が金融機関に返済を立て替えるため、金融機関は返済不能によるリスクを回避できます。
保証会社が立て替えても債務者の返済義務がなくなるわけではありません!
債務者は、金融機関ではなく保証会社に住宅ローンの返済を続けていかなくちゃいけないんだね。
金利の違い
プロパーローンとアパートローンの金利の違いは、次のとおりです。
プロパーローン | アパートローン |
個別に決定 | 年利2〜5% |
プロパーローンは債務者や案件によって金利が大きく異なるため、一概に年利がどのくらいであるかと断言することはできません。
一方、アパートローンは金利期間や金融機関によって金利相場の幅は異なりますが、おおよそ2%〜5%です。
債務者の収益性や事業性が金融機関に認められれば、アパートローンよりも低い金利で融資を受けられるチャンスが多いです。
プロパーローンは事前審査が甘い?
結論から言うと、一概にプロパーローンが事前審査に甘いと断言することはできません。
なぜなら、債務者の収益性や信用度によって異なるからです。
プロパーローンは、アパートローンよりも事前審査が甘いイメージが先行しているのはなんでだろう。
プロパーローンは、もともと不動産投資業界の中で収益物件に投資する企業向けにサービスが始まりました。
近年では、不動産投資を個人で行うケースが増えているため、大規模な不動産投資を行う人に向けても貸付を行っています。
制約の少ないプロパーローンは、借入額や資金使途の面で柔軟性があり、アパートローンでは受けられない融資が通りやすいです。
なるほど、実際にアパートローンではダメだった融資がプロパーローンで受けられることがあるんだね
ただし、プロパーローンは保証会社を介さないため、金利を安く抑えられる代わりに金融機関側のリスクが高くなります。
そのため、十分な収益性や事業性、信用度が認められなければ、アパートローン以上に事前審査が厳しくなることが予想されますよ。
プロパーローンは信用情報がブラックだと落ちる?
結論を言うと、信用情報がブラックだからといってプロパーローンの審査で落ちるとは限りません。
そもそも、「ブラックリスト」と呼ばれるリストは存在しません。
え!ブラックリストがないってどういうこと?
クレジットカードやローンの支払いで滞納したり法的整理(自己破産など)をすると、「延滞」や「異動」という内容になり、「異動」の状態がいわゆるブラックと呼ばれています。
つまり、信用情報において支払いが滞ったことがある記録が残っているだけで、「返済能力がない」と示すものとは異なります。
アパートローンの場合、形式的に審査が進められるため、信用情報がブラックというだけで審査を強制的に打ち切られてしまうことがあるでしょう。
一方、プロパーローンの場合は債務者と金融機関が直接やりとりをします。
返済能力が十分であると判断できるだけの資金力、収益性を証明できれば、信用情報がブラックでも審査が通るケースはあるでしょう。
ブラックの方は、申し込みをする段階で滞納しているものがないことが最低条件になるため、事前に確認することが重要です。
プロパーローンの3つのメリット
プロパーローンの基本的な概要とアパートローンとの違いについて言及したところで、具体的にプロパーローンのメリットをみていきましょう。
プロパーローンの最大の特徴である「金融機関との直接取引」の部分で、アパートローンにはないメリットがあります。
限度額が高い
プロパーローンのメリットとして、アパートローンのように借入金の限度額に制限がない点が挙げられます。
アパートローンの場合、借入のタイミングや金融機関によって異なるものの、原則借入金には限度額が設けられています。
三井住友信託銀行が提供するアパートローンでは借入金額の上限が3億円以内(100万円以上、10万円単位)だったね。
高額な不動産投資をするのであれば、アパートローン以上の資金調達が必要なケースもあるでしょう。
また、アパートローンの限度額分を借りたいと思っても、高額であるほど審査に時間がかかる可能性が高いです。
不動産投資でまとまった資金調達が必要な方で、収益性や信用度が高いのであれば、アパートローンではなくプロパーローンを利用した方が良いケースが多くなっています。
保証料の支払いが不要
プロパーローンのメリットとして、保険会社を介さないため、債務者が保証料を支払わなくて良い点が挙げられます。
アパートローンでは、もしも債務者が支払い義務を果たせなくなった際に融資分の資金を立て替えてくれる保証会社との契約が必要。
保証会社と契約するのであれば、支払い義務を全うしたか否かに関係なく、定期的に保証料の支払いが義務付けられます。
プロパーローンは債務者と金融機関が直接やりとりをするため、保証会社に仲介しない分、債務者は保証料の支払いがありません。
債務者側で計画的な返済が可能であれば、プロパーローンを使うと、保証料の支払い分を節約できます。
プロパーローンでは債務者の滞納や未払いを防ぐため、保証会社の代わりに保証人または連帯保証人を用意する必要があります。
保証会社の審査が不要
プロパーローンのメリットとして、保証会社の基準に左右されることなく審査が行われる点が挙げられるでしょう。
極論を言えば、過去にローンの未払いや滞納の記録があったとしても、その後に返済を完了していれば審査に通る可能性があります。
いわゆる「ブラックリスト」と呼ばれるリストに入っていると、最初の審査段階でアパートローンは落ちるケースがほとんど。
プロパーローンは金融機関側がOKと言えばOKですので、債務者側が十分な弁明ができれば融資を受けられるチャンスがあります。
未納分は、申し込み段階までに完済しておきましょう。
ただし、あくまで「アパートローンよりも融資が受けやすい」というだけですので、アパートローンに落ちた方が絶対プロパーローンに通るというわけではありません。
実際には、「アパートローンに落ちたけどプロパーローンで融資を受けられた」という方も多いです。
収益性や事業性をアピールできるように準備した上で、相談してみてください。
プロパーローンの3つのデメリット
プロパーローンは、高額な資金を借入するため、懸念されるデメリットについて正しく把握しておくことが重要です。
それぞれのデメリットについて解説します。
連帯保証人を用意しないといけないケースがある
プロパーローンのデメリットとして、連帯保証人を用意しないといけないケースがある点が挙げられるでしょう。
アパートローンであれば債務者の滞納をカバーする保証会社がいますが、プロパーローンの場合、金融機関がリスクを負うことになります。
金融機関はリスクを減らすための対策として、保証人もしくは連帯保証人を用意することを条件に出すケースがほとんど。
保証人や連帯保証人は、債務者が支払い義務を果たせなくなった時、代わりに返済を引き継ぐことになるんだよね。
もしも、保証人や連帯保証人を家族やビジネス仲間に設定した場合、常に彼らに迷惑をかける可能性があるというストレスを抱えることになります。
銀行の審査が厳しい傾向にある
プロパーローンのデメリットとして、銀行の審査が厳しい傾向にある点が挙げられるでしょう。
プロパーローンのメリットは審査が通りやすいんじゃなかった?
プロパーローンは金融機関の事前審査が通りやすいとお伝えしましたが、実際に融資を受ける際には銀行の審査を受けなければなりません。
つまり、表向きでは「プロパーローンの審査は通りやすい」と言われていますが、あまりにも信用度が低いと銀行から融資を断られる可能性があります。
銀行の審査は、金融機関とは関係のない第三者機関の立場になりますので、信用度が極端に低い方は要注意です。
過去に自己破産などの法的整理をしたことがあれば、その記録が消えるまでは融資を待つのが賢明です。
金利が高くなる
プロパーローンのデメリットとして、金利が高くなる点が挙げられるでしょう。
十分な収益性や事業性、信用度が認められればアパートローンよりも低金利で融資を受けられるケースもあります。
一方で、債務者の年収や担保価値などを加味してアパートローンよりもプラス1%ほど上乗せした金利が相場です。
さらに、銀行による審査で「問題あり」と判断されると、融資の取りやめもしくはプラス2%上乗せした金利になることも。
金利が極端に高くなるのであれば、保証料を支払ってアパートローンを選んだ方が良いケースもあります。
初期費用が軽減される点ばかりを見るのではなく、長期的な視点で総支払額がどうなるか比較して選びましょう。
プロパーローンは不動産投資にも利用できる?
結論から言うと、プロパーローンを個人の不動産投資で利用することは難しいという見解が一般的です。
ただし、実際にはアパートローンで審査が通らなかった方がプロパーローンで借りれたという成功例があるのは事実です。
プロパーローンは企業向けに展開されている借入サービスですので、大規模な不動産経営をしようと考えている方に向いています。
プロパーローンの利用がおすすめな方の特徴
- 賃貸事業をできるだけ早く拡大させたいと考えている方
- 自己資金・自己資産が潤沢な方
プロパーローンは金融機関との直接取引になるため、有効な収益性や事業性が証明できればプロパーローンで不動産投資が可能。
また、金融機関側はリスクを最小限に抑えるための審査をします。
年収に限らず、十分な金融資産や自己資金があることが証明できれば、貸倒のリスクが少ないと判断されて融資してもらえる可能性は高いですよ。
プロパー ローンはメリット・デメリットを理解して利用しよう
プロパーローンは保証会社の仲介がない分、金融機関から柔軟な対応をしてもらえる可能性があります。
一方で、保証人や連帯保証人が必要であったり融資期間や金利面でアパートローンよりも条件が厳しいなど、利用しづらい点もあります。
メリットとデメリットを加味して完済まで、どちらのローンを利用するのが最適かを見極めましょう。
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