快適な空間になると注目を集めている「高気密・高断熱住宅」。
立地や間取りだけでなく、住宅性能を意識して家づくりする人が増えています。
- 快適に過ごせるマイホームにしたい!
- 高気密・高断熱住宅ってどんな家?
- 高気密・高断熱を採用してデメリットはないの?
近年、高気密・高断熱住宅が増えてきていますが、特徴やメリット・デメリットを完全に把握している人は少ないでしょう。
どんな性能があるか把握しておかないと、活かしきれないよ!
そこで今回は、SNS総フォロワー数50万人以上の暮らしのメディア「THE ROOM TOUR」(@the_room_tour)が「高気密・高断熱住宅の基準やメリット・デメリット」を解説します。
この記事を読めば…
- 高気密・高断熱住宅の特徴がわかる!
- メリット・デメリットがわかる!
- 住宅で高気密・高断熱を取り入れる際の注意点がわかる!
高気密・高断熱住宅を検討している人はぜひ参考にしてください。
この記事を読んで、快適に過ごせるマイホームを目指しましょう!
高気密・高断熱住宅とは
高気密・高断熱住宅ってどんなお家なの?
- 高気密住宅とは
天井や壁、床や窓枠などの建物の隙間を限りなく減らした密閉性が高い家のこと - 高断熱住宅とは
室内外の熱の伝導を最小限に抑えた断熱性に優れている住宅のこと
つまり、外気温の影響を受けにくい家のことだよ!
高気密・高断熱住宅は夏は涼しさを、冬は暖かさをキープできるので、1年中快適な生活ができます。
高気密・高断熱の特徴
高気密・高断熱住宅の特徴は室温を快適なまま維持できること。
逆に気密性・断熱性が低いと、屋内外の空気が出入りしやすく外気温の影響も受けやすくなってしまいます。
室温を変えないようにするなら高断熱だけでいいんじゃない?
高気密にしないと外気が流れ込んでくるから、断熱の意味がないよ。
暖かい空気と冷たい空気は対流する性質があります。
そのため、気密性が低いと空気がどんどん入れ替わってしまい、暖房・冷房をつけても効果は最大限に発揮されません。
外気を入れない、室内の暖気・冷気を逃さないためには気密性も重要なのです。
- 高気密住宅は隙間のない家
- 高断熱住宅は快適な室内温度を保てる家
快適な室内環境にするには、高気密かつ高断熱の住宅を目指しましょう。
高気密・高断熱の基準や具体的な数値は?
実は「高気密・高断熱住宅です」と言い切れる明確な基準はありません。
ハウスメーカーなどの基準は独自に定めたものだよ。
それじゃあ高気密か高断熱かはどうやって判断すればいいの?
高気密・高断熱の住宅か判断するためには、気密性・断熱性を表す数値や見方を把握しておく必要があります。
ここでは、気密性・断熱性を表す数値とそれが表す意味を解説します。
高断熱に関する指標としては国土交通省の「建築物省エネ法」の基準があります。
詳しくは国土交通省のホームページを参照してください。
気密性・断熱性を表す数値
気密性・断熱性を表す数値は全部で3つ。
- C値(㎠/㎡)
- Q値(W/㎡/K)
- UA値(W/㎡/K)
それぞれの数値について基準とともに解説します。
高気密・高断熱住宅かどうか判断するために、数値が表す意味と基準を抑えておきましょう。
気密性を表すC値
C値は建物全体で隙間がどのくらいあるのかを表したもの。
C値=住宅全体の隙間の合計面積(㎠)÷延べ床面積
隙間相当面積とも呼ばれ、数値が小さいほど機密性が高いです。
C値が小さければ小さいほど、隙間のない高気密な家だよ!
以前は日本の地域ごとにC値の基準がありましたが、建築物省エネ法改正によりC値の基準は撤廃されました。
以前のC値の基準
- 寒冷地で2.0
- その他の地域で5.0
現在は高気密に関する明確な基準はありません。
断熱性を表すQ値・UA値
Q値は家の熱の逃げにくさを表す数値で、熱損失係数とも呼ばれています。
Q値=(総熱損失量の合計+換気による熱損失量の合計)÷延べ床面積
数値が小さいほど断熱性が高いです。
UA値は熱がどのくらいの家の外に逃げやすいかを表す数値。
UA値=総熱損失量÷外皮表面積
外皮平均熱貫流率とも呼ばれ、こちらも数値が小さいほど断熱性が高いです。
どちらも断熱性能を表す数値ですが、Q値は省エネ法改正により基準の指標から除外され、UA値が基準として採用されています。
UA値の基準が地域により異なります。
- 北海道で0.46W/㎡/K
- 関東など大部分で0.87W/㎡/K
という基準が設けられています。
UA値の基準は国土交通省公式サイトより引用
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001443058.pdf
UA値以外は明確な基準はありません。
しかし、どの数値も小さければ小さいほど高性能ということを覚えておけば家づくりのときに役立ちます。
高気密・高断熱のメリット
外気温の影響を受けにくい高気密・高断熱住宅にはどんなメリットがあるのでしょう?
ここでは住宅に高気密・高断熱を取り入れるメリットを紹介します。
高気密・高断熱の良さを把握して、快適なマイホームを目指してくださいね♪
年間を通して快適に過ごせる
高気密・高断熱住宅は夏の暑さや冬の寒さなど外気の影響を受けにくいため、年間を通して快適に過ごせます。
気密性も断熱性も低い住宅は、部屋ごとの温度差が激しいです。
冬はリビングはいいけど、浴室やトイレが寒いってことになったら困るね…
高気密・高断熱住宅なら、家全体の温度差が小さくなるから快適に過ごせるよ!
高気密・高断熱住宅では室内の温度変化が少ないので、急激な温度差が原因となって引き起こるヒートショックのリスクも軽減できます。
ヒートショックとは急激な気温の変化で血圧が上下し、心臓や血管など身体にダメージを受けること。
心筋梗塞や脳卒中、大動脈解離を引き起こす可能性もあります。
高気密・高断熱住宅は快適に過ごせるだけでなく、健康にもメリットがあるのです。
光熱費を削減できる
高気密・高断熱住宅では光熱費を削減できます。
なぜなら、冷暖房の効率が良いからです。
気密性や断熱性が低い住宅では
- 冷房をつけても冷えにくい
- 暖房をつけても暖まりにくい
上記理由から長時間稼働させる必要があります。
また、暖まってもすぐに冷えてしまいます。
しかし、高気密・高断熱住宅では冷暖房効率が上がるので最低限の稼働でOK!
さらにストーブの利用を抑えることによって、二酸化炭素の削減にもつながります。
費用を抑えるだけじゃなく、環境にもいいんだね!
高気密・高断熱住宅は省エネで環境に優しい住宅です。
遮音性が高い
建物の隙間を限りなく減らした密閉性に優れている高気密住宅は遮音性も高いです。
隙間が少ないため音漏れを心配する必要がありません。
音漏れを遮断できれば、プライバシーを守れるよ!
また、外部の音もシャットアウトできるため騒音対策にもなります。
高気密・高断熱住宅は
- 子どもがいる家庭
- ペットを飼っている人
- 音楽・楽器を演奏する人
- 静かに過ごしたい人
- 道路・線路沿いに住んでいる人
におすすめと言えますね。
高気密・高断熱のデメリット
高気密・高断熱住宅にしようか考えたときにデメリットはないか気になりますよね。
ここでは高気密・高断熱のデメリットを紹介します。
メリットだけでなく、デメリットも把握してから高気密・高断熱性能を取り入れるか検討するといいですよ。
建築コストが通常より高くなる
高気密・高断熱住宅は通常よりも建築コストが高くなります。
断熱材や気密テープなどの材料費や工事工程が通常に比べて多くなるため、建築コストが高くなるのです。
建築費用は初期投資!ランニングコストを考慮すると一概に高いとは言えないよ。
メリットであげたように、高気密・高断熱住宅では光熱費を大幅に抑えることができます。
ランニングコストを考慮すると、高気密・高断熱住宅が高いとは言い切れません。
むしろ、長く住めば住むほどお得になる可能性もあります。
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空気がこもりやすい
高気密・高断熱住宅では空気がこもりやすいです。
なぜなら、屋内外の空気の出入りを最小限にしているから。
温度を一定に保てるのはいいけど、空気が悪くなるのは嫌だな。
換気をすれば問題ないよ!
適切な換気をしないと以下のようなことが起きます。
- 熱気や臭いがこもる
- 二酸化炭素濃度が高くなる
- 結露のリスクが高まる
- シックハウス症候群やアレルギーを引き起こすリスクを高める
健康に害をおよぼすこともあるんです。
ただ、高気密・高断熱住宅では24時間換気システムの設置が義務付けられているので安心です。
換気システムが正常に働いていれば、空気がこもる心配はありません。
利用できる暖房器具に制限がある
エアコンよりも石油ストーブのほうが暖まりやすいです。
しかし、高気密・高断熱住宅ではガスや石油の燃焼を伴う暖房器具の使用はおすすめしません。
理由としては、一酸化炭素中毒を引き起こすおそれがあるからです。
高気密・高断熱住宅では
- エアコン
- 床暖房
- カーペット
- 全館空調(家の温度を一定に保つ)
などの暖房器具でも十分に部屋を暖められます。
上記暖房器具なら一酸化炭素やニオイを気にする必要がないよ!
使用できる暖房器具に制限はありますが、とくに問題はありません。
高気密・高断熱住宅を建てる際の注意点
高気密・高断熱住宅のメリット・デメリットを把握できたでしょうか。
先ほども説明しましたが、高気密・高断熱住宅を定める明確な基準はありません。
そこで、ここでは高気密・高断熱住宅を建てる際の注意点を解説します。
注意点を抑えなければ、性能の低い住宅になりかねません。
高性能の住宅を建てるためにも注意点を抑えておきましょう。
住宅会社選びに注意する
高気密・高断熱住宅を建てるには住宅会社選びが大切です。
高気密・高断熱の明確な基準はなく、住宅会社で独自に設定されています。
住宅会社選びに失敗すると、気密性も断熱性も低い住宅になってしまうことも…
どうやって住宅会社を選べばいいの?
住宅会社を選ぶときのポイント
- 高気密・高機能住宅の施工実績が豊富かどうか
- 数値測定を実施しているかどうか
品質は施工する職人の技術力によります。
施工実績が少ないと、気密性の低い住宅になる可能性は十分にあります。
高気密・高断熱住宅の施工実績が豊富で、気密性や断熱性を数値化してくれる住宅会社を選びましょう。
住宅会社を選ぶ上でほかにもチェックすべき点があります。
▼こちらにハウスメーカー・工務店選びのチェックリストをまとめたので参考にしてください。
数値だけで判断しない
気密性・断熱性の高さを見極めるには数値が必須です。
気密性はC値、断熱性はUA値だったね!
しかし、数値を気にするあまり、暮らしにくい住宅になってしまうこともあります。
- 温度は快適だけど、住み心地は悪い
- 断熱性を重視した結果、窓が小さくなってしまった
- 高気密・高断熱を意識しすぎて予算が足りなくなった
性能はマイホームを快適にする要素のひとつにすぎません。
暮らしやすさを求めるのであれば、間取りや導線も大切です。
使い勝手や住みやすさも考慮して家づくりをしよう!
▼間取りで悩んでいる方はコチラの記事をどうぞ
換気システムの導入が必須
高気密・高断熱住宅では24時間換気システムの導入が義務化されています。
換気は快適な環境にするために重要なシステムです。
24時間換気システムには以下の3種類あります。
- 第1種換気
給気・排気の両方をファンで強制的におこなう方法 - 第2種換気
給気のみをファンで強制的におこない、屋内の空気は自然に排出する方法 - 第3種換気
自然に給気がおこなわれ、排気のみを強制的におこなう方法
高気密・高断熱住宅で快適に暮らすためにも換気システムの種類を怠らないようにしましょう。
デメリットを把握して高気密・高断熱住宅を採用しよう
高気密・高断熱住宅の1番の特徴は室温の変化が少ないこと!
年間を通して快適な温度で過ごせるよ!
高気密・高断熱を取り入れるか迷っている人は、メリット・デメリットを参考にしてください。
建てるときに以下の点に注意しましょう。
家づくりは人生で一度の大きな買い物。後悔しないためにも、今回紹介したことを抑えて、快適な家づくりを目指してくださいね♪
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